表具師店長の日記
大きな涅槃図の修理が終わりました!
先日 店長日記で紹介していた、大きな涅槃図 の修理が 完成しました \(^o^)/
この涅槃図は 「 宝暦2年 」 という年号が箱に記されておりました。
調べてみますと 「 1752年 」。 今から260年前となります \(◎o◎)/!
解表(掛軸から 軸棒や表木を外しほどく事)してみますと、軸棒には 「 明治24年 」 と記されておりました。
これは、「 1891年 」。作られてから140年ほど前で、 今から120年ほど前になります。
この事を 施主さんは知らず、うまいことほぼ同じくらいの間隔を置き修理に出してくださいました (^^)/
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箱の内側には 「宝暦2年」の文字 | 中軸には「明治24年」の文字 |
掛軸といえば通常 本紙があってその周りに裂もしくは紙を別に付けていくわけですが、この涅槃図は
裂の部分も描いてあり、すべてが本紙というものでした。
柱(絵の横の縦の部分)はめくれているし、前の修理は浮いてきているし、折れもかなり入っている・・・
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【 柱の部分のめくれ 】 | 【 前の修理がはずれて浮いている 】 | |
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【 大きな 折れ がいっぱい・・・ 】 |
作業台は拡張したけど、こんな大きな軸どんな段取りで作業しようか・・・
この軸を前にして、数日悩みました (-_-;)
結果、作業台の両脇に脚立を置き 梯子を通してその上に乗って作業しました (^^♪
仮張り(裏を打った掛軸を張り付ける台) も 大小2枚の仮張りを継いで作りました。
中軸(下につける棒) に 次回修理する人がわかるよう、年号を入れました (^^)v
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【 裏打ちをめくっています 】 | 【 裏打ちをしています 】 | |
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【 折り伏せ(後から折れが出ない様に) 】 | 【 打ち刷毛 で叩いています 】 | |
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【 大小二枚を継いだ仮張り 】 | 【 仮張りの裏面 】 | |
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【 総裏(最後の裏打ち) 終了 】 | 【 こんな感じで年号を入れました 】 | |
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【 仕上げをしているところです。かなり大きいでしょう! 】 |
そして完了!
掛軸を入れる箱は、こちらで段取りするとかなり高くなるので、村お住まいの大工さんが作ってくださいました。
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【 見難いですが、箱の内側には古い箱の銘が貼り付けています。古い軸棒も一緒に入れています。 】 |
今後120年間 無事に残ってくれることを祈っています (*^^)v
2011/10/6 書く
コメント

素晴らしいですね。