■ 霊場巡礼とは
霊場(れいじょう) : 神仏の霊験あらたかな場所の意で、神社・仏閣などの宗教施設など。
巡礼(じゅんれい) : 神社・寺院・聖地・霊場などを巡り礼拝することを指します。霊場巡礼は、1つのテーマを基にして 作られた 霊場のグループを巡るものであり、
そのテーマには、「 観音霊場 」 「 弘法大師霊場 」 「 地蔵菩薩霊場 」 などが有り、
様々な霊場巡礼が有ります。巡礼の始まりは、諸説あるようですが、花山法皇が永延2年(988)に西国三十三ヶ所巡礼
を行ったことをはじまりとするのが、有力なようです。
江戸時代には庶民にも広がり各地に巡礼講が作られました。儀式・信仰のためだけではなく、
物見遊山的な巡礼も盛んに行われるようになりました。最近では、交通機関の発達につれ 気軽に趣味や楽しみとして休日に寺院を巡る方も多く
なってきました。しかし、供養や祈願のために霊場を歩く方も沢山いらっしゃるので、最低限
のマナーは守るよう注意してほしいですね!そして 廻り終わった後は、納経帳類を表装して 大切に保管してください。
特に納経軸は巻いたまま袋に入れておくと、シミになる事が多いですよ!
それに、中途半端で終わる事になりますので、ご利益も半減です・・・
※ 表装の一例を紹介します!
【 納経帳 】
・ 掛け軸や屏風
【 納経軸 】
・ 縦は掛け軸 横は額
【 お札 】
・ 掛け軸や額や屏風(写真は掛け軸と額)
【 散華 】・ 額仕立て
この他にも、色々なやり方が有りますので、何なりとお尋ねください!
■ 有名な霊場巡礼
西国三十三ヶ所霊場 観音様の霊場。 3霊場を合わせて「 日本100観音霊場 」 とも 呼ばれます。
坂東三十三ヶ所霊場 秩父三十四ヶ所霊場 四国八十八ヶ所霊場 : 巡礼される方を 「 お遍路さん 」 と 呼びます。 大和七福八宝めぐり : 大神神社が入った巡礼。店長の地元です。
■ 全国の霊場巡礼
現在は日本の各地に観音霊場や弘法大師信仰の四国の写し霊場だけに限らず薬師如来・
地蔵菩薩・不動明王・大日如来等の十三仏などいくつもの霊場巡礼が存在しています。
カテゴリーを分類すると下記の様になります。
【 カテゴリー 】
【 簡単な説明 】 観音霊場 : 観音様の信仰で、宗派に関係が無い。三十三ヶ所が多い。 弘法大師霊場 : 弘法大師の信仰で、真言宗のお寺の巡礼 不動尊霊場 : 密教で大日如来の化身と言われる不動明王(不動尊)を巡る巡礼 薬師霊場 : 病気平癒などの仏様 薬師如来を巡る巡礼 地蔵霊場 : 古くから「お地蔵さん」 と親しまれている、地蔵菩薩を巡る巡礼 十三仏霊場 : 年忌法要の本尊でもある、十三仏を巡る巡礼 七福神霊場 : 七福神を巡る巡礼。数が少ないので手軽に廻れる。 十二支霊場 : 十二支の守り本尊としての仏様を祭ってある寺院の巡礼 その他 : 上記に分類できない霊場巡礼。全国一之宮(神社)もその一つ
■ 霊場巡礼の作法・持ち物等
最初にも書きましたが、現在は 信仰の証しとしての巡礼は少なくなり、歩いて健康を得る為・
古寺や周辺観光のための巡礼が盛んに行われるようになっています。
また、霊場を形成する寺院側も各地域とむすび訪れる人(観光客)を増やす手法として利用
している面もあるため、観光化により拍車をかけているとおもわれます。
言い換えれば、今は誰でも霊場巡礼をする事が出来ます。
だからこそ、真剣に信仰心から廻っておられる方に失礼にならない様、最低限の礼儀を
わきまえて廻りたいものです。 簡単に記しておきます。
【 巡礼の心得 】
・ 常に修行の心で巡拝する
・ 生物を殺さない
・ 異性に戯れの言葉をかけない
・ 酒は飲まない
・ 同行者や出会いの者との口論は慎む
・ 持ち物は必要最低限
・ 多額の金銭は持たない
【 注意点 】
・ 薬、保険証、緊急時の連絡先を携帯する
・ 宿泊するときは早めに入る
・ 夜中に宿を出ない
・ 文化財の保護に留意する
・ 火の元に 気をつける
・ 各寺で定められた約束事を守る
巡礼の正装は、菅笠(すげがさ)、輪袈裟(わけさ)、白衣などを身につけた白装束ですが、
現在では正装される方は少ないようです。
【 持ち物 】
・ 数珠 必需品です。
決まった様式は有りません
・ 納経帳 朱印帳・宝印帳 とも 言います
御朱印を受けるための帳面
・ 納経軸 マクリ とも言います。 縦用・横用の2種類あります
掛け軸や 額にする為 御朱印を受けます
・ 笈摺(おいずる) 「白衣」ですが、同じく、御朱印を受けるためのもので、巡礼中に着る「白衣」とは違います。
満願されますと、自分もしくは身内の人が亡くなった時に着せてあげます。
・ 線香、ロウソク 本堂で合掌、お経をあげる際に使います ・ その他 上記の他 菅笠・着用の白衣・輪袈裟なども有れば、巡礼の雰囲気を醸し出します。
靴は履きなれた物をお使いください。
経本・現金・ガイドブック・地図・タオル・常備薬なども用意しておくと良いでしょう