登龍門の故事由来の厄除けと出世栄達を祈る縁起図
古来、登龍門の故事に倣い、激流を遡った鯉が龍神となって天へと昇る姿は出世栄達の象徴。
金運財運の象徴である旭日の黎明を浴びて黄金色に輝く黄金富士を背に、水飛沫をあげて豪快に跳ね、偉大な生命力を感じさせる鯉と、威厳あふれる様で忍び寄る悪災をことごとく追い祓う龍がご尊家を末永く守護してくれることでしょう。
登龍門の故事とは
中国は黄河の上流にある龍門という激流を遡った鯉が龍神となったという伝説は、中国の科挙(官吏登用)の試験合格を目指す人々をはじめ、出世成功を願う人々の間で語り継がれ、我が国にも「登龍門」の故事として伝えられました。
古代の聖天子舜が、黄河の氾濫を鎮めるため、家臣の鯀に治水工事を命じました。しかし鯀は失敗してしまい、その息子の禹が父の意志を継ぎ完成することができました。
功績を称えられた禹は、聖天子から天下を譲られ夏王朝を開いたということです。
その成功の秘策は、上流の龍門山を崩し三段の流れを作ったことであり、これが有名な三段の滝といわれるものです。
その後、多くの魚がこの激流を遡ろうとしましたが、なかなか成し遂げられなかったところ、ある一匹の鯉が大きく跳ねてこの激流を遡ったかと思うと、龍に変身し天へと飛翔していったのです。もちろんこの鯉は出世を成し遂げた禹のことであり、立身出世の故事として語り継がれることになったのです。
今もなお、鯉は出世栄達の象徴として崇められ、端午の節句の鯉幟もこの由来に基づいています。
滝を昇る鯉は昇鯉、すなわち「勝利」に通じることから、戦勝栄光の象徴としても崇められる由来となっています。
「龍神」があらゆる災いをことごとく追い祓う
「龍に九似あり」とされ、角ば鹿、頭は駱駝、眼は兎、体は大蛇、腹は蜃(この場合の蜃は蛤ではなく蛟の意)背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛にそれぞれ似るとされ、口辺に長髯をたくわえ、喉下には一尺四方の逆鱗があり、顎下に宝珠を持っていると言われる龍は、神仏の化身として崇められてきました。
また五本指の龍は中国では皇族しか飾ることが許されなかった最高位の龍神です。
家の中心に飾ることで、回りから忍び寄る悪災や厄難をことごとく追い祓ってくれることでしょう。
大きさ:幅54.5×高さ190cm(尺5)
本紙:新絹本(手彩色)
様式:洛彩緞子本表装
軸先:陶器
桐箱畳紙収納
注文制作のため納期10日前後かかります。