鋭い眼光で四方八方を睨み、忍び寄る厄災苦難を追祓う
逞しい足で歩く獰猛な虎は、古来、旺盛な生命力であらゆる厄災を祓い、守護するものとして崇められてきました。その威厳あふれる趣から、幾多の絵師の手により描かれ、家の中心に飾る風習など、古くからもてはやされてきた由緒正しい縁起画題です。威風堂々とした格式高い趣で忍びよる厄難をことごとく追い祓ってくれます。 威風堂々とした虎図は格式ある家の象徴元々虎はその威厳あふれる獰猛さから、邪悪を追い祓うものとして神仏化しました。その後、鋭い眼光で四方八方を睨み、あたり一面に威厳を放つ様から、八方から忍び寄る厄災を追い祓うとして珍重されてきた題材です。その後、絵の中の虎を捕まえてみよという殿様の難題を、「捕まえますから追い出して下さい」という機微あふれる頓知でかわした有名な一休さんの逸話のように、掛軸・屏風絵など厄除け題材として掛軸や屏風に描かれるようになり、床の間などの家の中心に飾ることで、様々な厄難を祓い除けるといわれてきた虎。貴家にもお招きいただき飾ることで、忍び寄る厄難をその威厳で追い祓い、運気上昇をもたらしてくれることでしょう。 水晶の霊力が厄難を消し去る
虎の前足がしっかりと抑えているのは、神秘の霊力が宿るという水晶の原石。古くから水晶は地球創造時から存在する神秘的なものとして崇められ、災いを消し去る霊力を秘めていると考えられてきました。 禅宗の経文「消災呪」が災いを消し去る
画面の背景にうっすらと配されているのは、仏教、特に禅宗で般若心経とともに一般的に詠まれる「消災呪」と呼ばれるありがたい経文です。厄難を追い祓うといわれる虎と、災いを消すという「消災呪」の相乗効果で、貴家にふりかかる災いや厄難をことごとく消し去ってくれます。 加納 悠峰 筆
伊那谷に育ち、しみじみと風情あふれる山水画を得意とする。繊細で巧みな筆致が高い評価を集めている。
大きさ:幅54.5×高さ190cm(尺5)
本紙:新絹本(手彩色)
様式:洛彩緞子本表装
軸先:陶器
桐箱畳紙収納
注文制作のため納期10日前後かかります。